2021年

Suzuki R, Yajima N, Sakurai K, Oguro N, Wakita T, Thom DH, Kurita N#. (#corresponding author)
誤診経験と現主治医への信頼との関係性
Journal of General Internal Medicine 2021; (inpress)

成人の非感染性疾患(がん、糖尿病、うつ病、心疾患、膠原病)の患者を対象に、患者本人及び、患者家族の誤診経験が現主治医への信頼にどの程度影響をおよぼすのかを調べました。主治医に対する信頼は、今回我々が日本語化した11項目の修正Trust in Physicians Scaleで評価しました。患者および家族の誤診経験は、現主治医に対する信頼の低下と関連していました(平均差 -4.30点、95%CI -8.12点~-0.49点および-3.20点、95%CI -6.34点~-0.05点)。隠れた信頼低下の原因として、患者本人や家族の誤診体験に着目することの重要性が示唆されました。スタンフォード大学医学部のThom教授との共同研究であり、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田)を受けたTRUMP2-Netプロジェクト (the Trust Measurement for Physicians and Patients - the Net survey) の成果です。[free-fulltext (全文読めます)][※研究成果が、福島民報に掲載されました。患者らの誤診体験 別の医師でも信頼低下. 福島民報. 2021年7月7日 日刊2ページ. また、福島民友に掲載されました。主治医の信頼度数値化 福島医大 患者への質問票開発. 福島民友. 2021年7月7日 日刊3ページ.]

Kurita N#, Kinoshita M, Fujimura M, Kurosawa K, Sakuramachi Y, Takano K, Okamura S, Kitatani M, Tsujii S, Norton CE, Hayashino Y. (#corresponding author)
糖尿病における尿中C-メガリンとアルブミン尿・腎機能の関係性:横断研究
Journal of Nephrology 2021; (inpress)

尿中バイオマーカーの1つ、C-megalinが、腎機能やアルブミン尿を反映するか否かを検証した横断研究です。1型糖尿病と2型糖尿病の方1576名を対象にしました。尿中C-megalin濃度と、尿中C-megalin・クレアチニン比はいずれもアルブミン尿の増加とともに上昇することがわかりました。腎機能が保たれているステージに限っては、腎機能が低くなるほど尿中C-megalin濃度の値が高くなる可能性が示されました。C-megalinの臨床的意義については、縦断的な検証が必要です。主指導教員が、ロジスティクスを含めた研究計画の立案・解析・論文化を進めました。メンターのお1人であった林野泰明先生(天理よろづ相談所病院)のご支援や、きっかけを作ってくださった淺沼克彦教授(千葉大学)や福原教授(京都大学)、分析のご助言をくださったNorton教授(ミシガン大学)など、多くのご縁のお蔭で第一弾を可視化することができました。

Nishiwaki H*, Niihata K*, Shimizu S, Shibagaki Y, Yamamoto R, Nitta K, Tsukamoto T, Uchida S, Takeda A, Okada H, Narita I, Isaka Y, Kurita N, and Japan Nephrotic Syndrome Cohort Study group. (*equally contributed)
成人特発性ネフローゼ症候群におけるレニン-アンジオテンシン系阻害薬の処方と処方関連因子:全国コホート研究
The Journal of Clinical Hypertension 2021; 23: 999–1007.

ネフローゼ症候群GL作成ワーキンググループから発案されたクリニカル・クェスチョンです。微小変化型ネフローゼ症候群や、膜性腎症などの特発性ネフローゼ症候群に対するレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の処方実態を調べました。ネフローゼの治療開始前に4割弱の患者にRAS阻害薬が処方されていました。処方されていなかった患者のうち、約3分の1の患者でRAS阻害薬が新たに処方されました。特に膜性腎症や、観察開始時点の収縮期血圧が高い患者ほど、新規処方される実態が明らかとなりました。今後は、RAS阻害薬により蛋白尿を寛解させるだけの有効性が実臨床で認められるかどうか、その検証が望まれます。西脇宏樹先生(昭和大学、イノベーションセンターOB)・博士研究員の新畑覚也先生を中心に解析・論文化が進められました。主指導教員は、当時のワーキンググループリーダーの柴垣教授(聖マリアンナ医科大学)によるご縁で共同で発案に関わり、新畑先生・西脇先生の解析・論文化支援にコミットしました。

Naganuma T*, Takahashi S*, Takeshima T, Kurita N, Omae K, Yoshioka T, Ohnishi T, Ito F, Fukuma S, Hamaguchi S, Fukuhara S, and the Sukagawa Study Group (*equally contributed).
コホートプロファイル:日本の超高齢集団に基づくコホート(須賀川研究)
International Journal of Epidemiology 2021; 50: 727-727h.
Kamitani T, Wakita T, Wada O, Mizuno K, Kurita N#. (#corresponding author)
"U-TEST" - 整形外科患者におけるサルコペニアの簡便な診断サポートツール: SPSS-OK研究
British Journal of Nutrition 2021; (inpress)

SPSS-OKプロジェクトの第7報目となります。2つの質問と2つの患者属性からサルコペニアを診断するサポートツールを開発して、U-TESTと名づけました (U = Underweight, T = Thinning, E = Elderly, ST = Strength)。京都大学の 紙谷司先生が主筆で、あんしん病院の和田先生、関西大学の 脇田 貴文先生らとともに発信したチームプロダクトです。指導教員の栗田宜明が研究デザインの立案から始めたプロジェクトからの成果であり、解析・論文化までを支援しました。

Kurita N#, Wakita T, Fujimoto S, Yanagi M, Koitabashi K, Suzuki T, Yazawa M, Kawarazaki H, Shibagaki Y, Ishibashi Y. (#corresponding author)
ホープレス(絶望感)とうつが進行期慢性腎臓病と透析患者のサルコペニアを予測する:多施設コホート研究
The Journal of Nutrition, Health & Aging 2021; 25: 593-599.

成人の慢性腎臓病(CKD)の健康関連ホープ尺度(HR-Hope)/うつとサルコペニアの関係性を縦断的に分析しました。HR-Hopeスコアが低いほど、サルコペニアなり得る可能性が示されました。この関係とは独立に、うつであると、サルコペニアとなり得る可能性が示されました。
科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号16H05216, 研究代表者:柴垣有吾, 研究分担者:福原 脇田 栗田;  若手研究 課題番号18K17970)を受けて実施した研究です。

Wada O, Yamada M, Kamitani T, Mizuno K, Kurita N#. (#corresponding author)
変形性股関節症における位相角(PhA)・重症度と大腿四頭筋筋力との関係性:SPSS-OK研究
Clinical Rheumatology 2021; 40: 1539-1546.

変形性股関節症およそ1100脚を分析した研究です。バイオインピーダンス測定で得られる位相角(PhA)は、X線重症度が特に重度のときに低い値となることがわかりました。また、位相角(PhA)が大きいほど、大腿四頭筋筋力が高くなることが示されました。大腿四頭筋筋力を評価するために、位相角に着目することも重要であることを示しました。主指導教員が研究デザインの立案・解析・論文化を支援しました。筑波大学の山田実教授との共同研究でもあり、このご縁をいただいたことと、プロジェクトの支援をして頂いている皆様に感謝しております。

Omae K, Kurita N, Takeshima T, Naganuma T, Takahashi S, Yoshioka T, Onishi T, Ito F, Hamaguchi S, Fukuhara S, and The Sukagawa Study Group.
地域在住の高齢者における転倒の予測因子としての過活動性膀胱の意義
The Journal of Urology 2021; 205: 219-225.
Omae K, Kurita N#, Takahashi S, Fukuma S, Yamamoto Y, Fukuhara S, and The Sukagawa Study Group (Collaborators: Iida H, Niihata K, Tominaga R). (#corresponding author)
AGEs蓄積と過活動膀胱(OAB)の関係性:須賀川研究
Asian Journal of Urology 2021; 8: 189-196.

終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End-products)が蓄積しているほど、過活動膀胱である可能性が高いか否かを検証した横断研究です。過活動膀胱は、尿意切迫感(突然にトイレに行きたくなって我慢ができない状況)を中心に、頻尿・夜間頻尿・失禁を伴うものです。膀胱組織における終末糖化産物の関与を示唆する先行研究があったにもかかわらず、健常な後期高齢者においては、過活動膀胱との関連性があるとはいえませんでした。ネガティブスタディーは一般的にアクセプトされにくいですが、臨床研究教育推進部の大前先生が辛抱強く研究を続けて出版されました。臨床研究イノベーションセンターが受託している須賀川市の健康長寿事業から生まれた成果です。主指導教員が解析・論文化で参画させていただいたことに、感謝しております。全文お読みいただけます[free-fulltext]。