米国内科学会日本支部年次総会・講演会2021で『コミュニケーションの臨床研究』ワークショップを開催しました

最近はフォトジェニックな花手水が注目されていることを知り、この世の流行に鈍感な教員も、豊景神社(とよかげじんじゃ)に足を運んでみました。水盤が紫陽花などの季節の生花で装飾されていました。境内には他に子供も楽しめる工夫が所々にみられました。このように心を込めた工夫が、自分のように今までこの神社の存在を知らなかった人々の目を引き、良い体験を生み出すのですね。

2021年6月27日に、指導教員が 米国内科学会日本支部年次総会・講演会2021で『臨床現場を楽しく科学する!コミュニケーションの臨床研究とその実践』という題目でワークショップを開催しました。今回のワークショップでは、ケースシナリオやJGIMに掲載していただいた臨床研究の自験例を通じて、「コミュニケーション」領域における研究デザインの考え方や、統計解析の実践的な進め方を学んで頂くように計画しました。「Shared decision making (SDM)」や「トラスト」は、「コミュニケーション」分野の裾野を形成しており、総合内科・総合診療の日常でよく遭遇する切実なトピックのように感じます。要するに、(無謀ではありますが)1つの臨床的なテーマで、研究の発案からデータ解析までひととおりやってみる体験をしていただきたいという思いでやりました。

事前には、トピックについてのミニ講義を2つ(意思決定やトラスト)、EZRのインストールから基本的な統計までのミニ講義を1つ、ケースシナリオをeラーニングシステムを通じて提供いたしました。

当日は、トピックのおさらい、リサーチ・クエスチョン作成のグループワーク、リサーチ・クエスチョンを解明するのに必要な統計ハンズオンを提供いたしました。

それぞれの講義に対する受講者の数的な評価は以下の通りでした。

受講者の皆様からは、次のようなコメントも頂きました。

  • 続編をお願いします
  • とても具体的で実践的でした
  • 事前課題、当日講義とも非常によく練られていて、勉強になる内容であった。
  • 私はEZRも使っているものなので抵抗がなかったが、そうでない人への案内も丁寧であった。
  • 1時間があっという間でした。
  • いつももやもやしているCQやPECOを言語化し、臨床研究として形にできることがわかり嬉しかったです。発表されたPECOは自分では思いつかない視点でとても勉強になりました。ただ、時間が短く、十分に理解仕切れなかったので残念です。
  • このようなリサーチクエスチョンのタネになるようなWSはありがたいです。
  • 普段あまり考えたことがない内容だったので、とても新鮮で興味深かったです!EZRも実は使ったことがなかったのですが、とても分かりやすく教えていただいて感動しました。
  • 本当に有意義なWS、更には前後のフィードバックを丁寧にありがとうございます。

などの講評をいただきました。

なおこのワークショップは、総合内科、白河総合診療アカデミー、昭和大学、帝京大学、亀田総合病院などで活躍されている先生方のファシリテート等のご支援があって実現できました。この場を借りて感謝申し上げます。

矢嶋 宣幸 先生 (昭和大学医学部 准教授):構想の段階からずっと見守って頂きました

川口 崇 先生 (東京薬科大学薬学部 准教授):意思決定の臨床研究について自験例を簡潔かつ丁寧にご講義くださりました

小黒 奈緒 先生 (昭和大学医学部)

會田 哲朗 先生 (福島県立医科大学付属病院):EZR Mac版のインストールのガイダンスで多大な貢献をしてくださりました

河原崎 宏雄 先生 (帝京大学医学部 准教授)

鈴木 智 先生 (亀田総合病院 腎臓内科部長)

東 光久 先生 (白河厚生総合病院 准教授):よく考えられたケースシナリオをご用意くださいました

長沼 透 先生 (福島県立医科大学付属病院):当日のグループワークの割り振りで縁の下から支えてくださりました

高橋 世 先生 (福島県立医科大学付属病院)

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