小黒 奈緒 博士研究員

小黒 奈緒 博士研究員

博士研究員

小黒 奈緒

Nao Oguro, MD, PhD


[English version]

1985年生まれ。東京都出身。2011年旭川医科大学卒業。2019年3月昭和大学 大学院医学研究科 博士課程修了(内科系内科学 リウマチ・膠原病学分野)。2020年10月福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野に博士研究員として参画。

リウマチ膠原病を専門に内科医として診療しています.膠原病疾患は希少疾患が多く,同一疾患の患者様の中でも病状・転機が様々に異なります.大規模な研究での治療指針は確立されたものが少なく,自身でも臨床研究を学び,発信していくことによって,生涯にわたって通院,投薬管理を要する膠原病患者様の診療に貢献できればと考えています。

[所属学会・専門医]
日本内科学会(内科認定医)
日本リウマチ学会(専門医)

[ 研修歴・臨床歴 ]
2011年 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2013年 昭和大学リウマチ膠原病内科 入局
2016年 昭和大学江東豊洲病院 内科リウマチ膠原病内科
2017年 昭和大学病院 リウマチ膠原病内科
2020年 昭和大学江東豊洲病院 内科リウマチ膠原病内科


【主な臨床研究】

  1. Yoshimi R, Yajima N, Hidekawa C, Sakurai N, Oguro N, Shidahara K, Hayashi K, Ichikawa T, Kishida D, Miawaki Y, Sada KE, Shimojima Y, Ishikawa Y, Yoshioka Y, Kunishita Y, Kishimoto D, Takase K, Kirino Y, Ohno S, Kurita N*, Nakajima H*. (*co-last authors)
    全身性エリテマトーデスの管理における協働意思決定が医師への信頼に及ぼす影響: TRUMP2-SLE前向きコホート研究
    Arthritis Care & Research 2024; doi:10.1002/acr.25409 (in press)

    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、患者の共同意思決定(SDM)への参加が医師への信頼とどのように関係するかを追跡調査により分析しました。
    その結果、共同意思決定の質が高いほど、主治医に対する信頼度が高くなることがわかりました。さらに、医師全般に対する信頼度も高くなることがわかりました。
    以上から、SLEの方々がSDMに参加することによって、医師-患者関係や医療全体の信頼が向上する可能性が示唆されました。この研究は、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2♠️-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとのチームプロダクトであり、リサーチ・クエスチョンの発案・解析・論文化に主指導教員が力を注いだものです。[※研究成果が、福島民友 日刊に掲載されました。難病患者の主治医への信頼度 治療の共同決定で向上 福島医大・栗田氏ら発表. 福島民友. 2024年9月5日 日刊4ページ.]

  2. Oguro N, Yajima N, Ishikawa Y, Sakurai N, Hidekawa C, Ichikawa T, Kishida D, Hayashi K, Shidahara K, Miyawaki Y, Yoshimi R, Sada K, Shimojima Y, Kurita N
    リウマチ医のビッグファイブ性格特性が全身性エリテマトーデス患者の信頼感に与える影響: TRUMP2-SLEプロジェクト
    The Journal of Rheumatology 2024; 51: 168-175. doi:10.3899/jrheum.2023-0603

    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々と、その主治医を対象に質問票調査を行い、患者さんの担当医に対する信頼度と担当医自身が答えた自分の性格傾向がどのように関係するかを分析しました。同意性・外向性が高いほど、担当医に対する信頼が厚いことがわかりました。一方で、勤勉性が高いほど、担当医に対する信頼度が低くなる関係性が認められました。以上より、SLEを診療する担当医に対する信頼度は、担当医のパーソナリティーの特性によって差が生じうることが示されました。👨‍⚕️‍👩‍⚕️科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2♠️-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとのチームプロダクトです。[※本研究の学会発表時の内容が、メディカルトリビューンに掲載されました。患者の信頼獲得に過度な勤勉さが仇となる⁉ TRUMP2-SLE研究. 2023年6月5日. 研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。主治医の性格で信頼度に差 福島医大大学院研究チーム 難病患者の結果まとめる. 福島民報. 2023年12月19日 日刊19ページ. また、研究成果が、福島民友 日刊に掲載されました。話しやすい主治医、患者信頼 福島医大が調査. 福島民友. 2023年12月19日 日刊19ページ.]

  3. Ichikawa T, Kishida D, Shimojima Y, Yajima N, Oguro N, Yoshimi R, Sakurai N, Hidekawa C, Sada KE, Miyawaki Y, Hayashi K, Shidahara K, Ishikawa Y, Sekijima Y, Kurita N#. (#corresponding author)
    全身性エリテマトーデス患者におけるオンライン健康情報収集行動が協働意思決定(Shared Decision Making; SDM)に与える影響:TRUMP2-SLEプロジェクト
    Lupus 2023; 32: 1258-1266. doi:10.1177/09612033231200104

    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、オンラインによる健康情報探索行動が共同意思決定(SDM)にどのような影響を与えるかを調べた論文です。その結果、インターネットを利用しなかった場合と比較して、インターネット利用時間が長いほどSDM-Q-9のスコアが高いことがわかりました。また、最初の健康情報源として医師を選んだ人とインターネットを選んだ人の間にSDM-Q-9のスコアの差は明らかではなかったこともわかりました。弊分野の博士研究員でもある、信州大学の市川貴規先生が筆頭の研究論文です。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果です。

  4. Miyawaki Y, Sada KE, Shidahara K, Nawachi S, Asano Y, Katayama Y, Hayashi K, Katsuyama E, Katsuyama T, Takano-Narazaki M, Matsumoto Y, Oguro N, Yajima N, Ishikawa Y, Sakurai N, Hidekawa C, Yoshimi R, Kishida D, Ichikawa T, Shimojima Y, Wada J, Kurita N#. (#corresponding author)
    大学のリウマチ医におけるグリットーやり抜く力と燃え尽き症候群の構成要素との関連性:TRUMP2-SLE研究
    Journal of Clinical Rheumatology 2023; 29: 268-274. doi:10.1097/RHU.0000000000001989

    大学病院で働くリウマチ医を対象に、グリット-やりぬく力とバーンアウト(燃え尽き症候群)という疲れやすさの要素との関連性を調べました。この研究は岡山大学の宮脇先生が主筆を務めました。その結果、グリットが高いほど、職務効力感が高いことがわかりました。また、若くて職位が低い医師は冷笑的な態度を示す傾向があり、女性や子供がいない医師は疲れやすい傾向があることも分かりました。この研究は、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた「♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)」の成果であり、リサーチ・クエスチョンの発案・解析・論文化に主指導教員が力を注いだものです。

  5. Sada KE, Miyawaki Y, Shidahara K, Nawachi S, Katayama Y, Asano Y, Hayashi K, Ohashi K, Katsuyama E, Katsuyama T, Narazaki M, Matsumoto Y, Oguro N, Ishikawa Y, Sakurai N, Hidekawa C, Yoshimi R, Ichikawa T, Kishida D, Shimojima Y, Kurita N, Yajima N.
    主治医の性格特性(グリットーやり抜く力)と全身性エリテマトーデス(SLE)患者における治療目標達成度の関係性
    Rheumatology (Oxford, England) 2023; 62: 2154-2159. doi:10.1093/rheumatology/keac612

    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、主治医の性格特性(Grit)がSLEの治療目標達成と関連するかどうかを検討した研究です。主筆は高知大学の佐田教授です。
    Gritは全般的なやり抜く力をたずねるもので、治療目標達成の一貫性を直接たずねているわけではありません。本研究では、主治医の一貫性が高い方が、治療目標が達成しにくいという関係性を観察しました。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果です。

  6. Oguro N, Yajima N, Miyawaki Y, Yoshimi R, Shimojima Y, Sada KE, Hayashi K, Shidahara K, Sakurai N, Hidekawa C, Kishida D, Ichikawa T, Ishikawa Y, Kurita N#. (#corresponding author)
    全身性エリテマトーデス(SLE)患者の伝達的・批判的ヘルスリテラシーが医師への信頼に与えるインパクト:TRUMP2-SLEプロジェクト
    The Journal of Rheumatology 2023; 50: 649-655. doi:10.3899/jrheum.220678

    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、ヘルスリテラシーが主治医への信頼や医師全般への信頼とどのように関係するかを横断的に分析しました。基本的・伝達的ヘルスリテラシーが高いほど、主治医に対する信頼が厚いことがわかりました。一方で、伝達的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般への信頼が高く、批判的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般に対する信頼が低いことがわかりました。また、インターネットの利用時間が長いほど、医師全般に対する信頼度が低くなる関係性が認められましたが、主治医への信頼度が必ずしも低くなるわけではないことを示しました。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2♠️-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとのチームプロダクトです。[※本研究は、リウマチの診療に役立つ重要な論文として、ジャーナルの編集長であるSilverman博士によって「Editor's Picks」に選ばれました。そして、ポッドキャストでも紹介されました(15:16-17:53)。また、研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。難病全身性エリテマトーデス患者 情報を積極的に収集 医師への信頼度高く 福島医大大学院 研究チームまとめ. 福島民報. 2023年1月29日 日刊21ページ. また、福島民友に掲載されました。患者と対話で信頼醸成 福島医大 ヘルスリテラシー研究. 福島民友. 2023年1月27日 日刊3ページ.]

  7. Kurita N#, Oguro N, Miyawaki Y, Hidekawa C, Sakurai N, Ichikawa T, Ishikawa Y, Hayashi K, Shidahara K, Kishida D, Yoshimi R, Sada KE, Shimojima Y, Yajima N. (#corresponding author)
    日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)における主治医への信頼感、健康関連ホープ、服薬アドヒアランス尺度との関係性:TRUMP2-SLEプロジェクト
    Rheumatology (Oxford, England) 2023; 62: 2147-2153. doi:10.1093/rheumatology/keac565

    日本人のSLE(全身性エリテマトーデス)患者を対象に、主治医への信頼度健康に関する希望(健康関連ホープ)が、薬の服用をちゃんと守ること(服薬アドヒアランス)とどう関係しているかを、調べました。主治医への信頼度が高い人や、健康に関して希望をもっている人ほど、薬をきちんと守る得点が高い傾向があることがわかりました。この研究は、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとチームで取り組んだものです。[※研究成果が、Doctors.net.uk(イギリスの医師向けウェブサイト)で紹介されました。また、福島民報 日刊に掲載されました。難病・全身性エリテマトーデス患者 前向きな姿勢 主治医への信頼 ⇒ 薬正しく服用 福医大大学院の研究チームなど. 福島民報. 2023年4月19日 日刊27ページ. ]

  8. Oguro N, Suzuki R, Yajima N, Sakurai K, Wakita T, Hall MA, Kurita N#. (#corresponding author)
    家族の医療体験が自分の主治医や医師全般へのトラスト(信頼感)に与えるインパクト
    BMC Health Services Research 2021; 21: 1122. doi:10.1186/s12913-021-07172-y

    非感染性疾患(がん、糖尿病、うつ病、心疾患、膠原病)の成人患者を対象に、家族が受けた医療に不満を抱くと、現在の主治医に対する信頼度や医師全般に対する信頼度にどのような影響があるかについて調査を行いました。主治医に対する信頼度は、今回我々が日本語化した5項目の短縮版Wake Forest Physician Trust Scaleで評価しました。結果、家族の受けた医療に対する不満は、医師全般に対する信頼の低下と関連していることがわかりました(平均差は-9.58点、95%信頼区間は-12.4点~-6.76点)。現在の主治医に対する信頼度も低下しましたが、低下の程度は医師全般に対する信頼度の低下に比べて小さいものでした(平均差は-3.19点、95%信頼区間は-6.02点~-0.36点)。ウェイク・フォレスト大学医学部のMark Hall教授との共同研究であり、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田)を受けたTRUMP2-Netプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients - the Net survey) の成果です。[※この研究は、健康政策やヘルスサービスリサーチの専門誌であるThe Milbank Quarterly誌に引用されました。具体的には、家族のコンテキストが健康の社会的決定要因のメカニズムを理解する上で重要であることの根拠に用いられました。]

  9. Suzuki R, Yajima N, Sakurai K, Oguro N, Wakita T, Thom DH, Kurita N#. (#corresponding author)
    誤診経験と現主治医への信頼との関係性
    Journal of General Internal Medicine 2022; 37: 1115-1121. doi:10.1007/s11606-021-06950-y

    成人の非感染性疾患(がん、糖尿病、うつ病、心疾患、膠原病)の患者を対象に、患者本人及び、患者家族の誤診経験が現主治医への信頼にどの程度影響をおよぼすのかを調べました。主治医に対する信頼は、今回我々が日本語化した11項目の改良版Trust in Physicians Scaleで評価しました。患者および家族の誤診経験は、現主治医に対する信頼の低下と関連していました(平均差 -4.30点、95%CI -8.12点~-0.49点および-3.20点、95%CI -6.34点~-0.05点)。隠れた信頼低下の原因として、患者本人や家族の誤診体験に着目することの重要性が示唆されました。スタンフォード大学医学部のThom教授との共同研究であり、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田)を受けたTRUMP2-Netプロジェクト (the Trust Measurement for Physicians and Patients - the Net survey) の成果です。[free-fulltext (全文読めます)][※研究成果が、福島民報に掲載されました。患者らの誤診体験 別の医師でも信頼低下. 福島民報. 2021年7月7日 日刊2ページ. また、福島民友に掲載されました。主治医の信頼度数値化 福島医大 患者への質問票開発. 福島民友. 2021年7月7日 日刊3ページ. また、デンマーク患者安全学会が発行するニュースレターでも紹介されました。Fagligt Nyt om patientsikkerhed, Dansk Selskab for Patientsikkerhed. 加えて、米国Agency for Healthcare Research and Qualityが発行する患者安全に関するレポートでも引用されました。Patient Experience as a Source for Understanding the Origins, Impact, and Remediation of Diagnostic Errors.]

Oguro N, Yajima N, Miwa Y
Age and quality of life in patients with rheumatoid arthritis treated with biologic agents.
Modern Rheumatology 2020; 30: 44-49
[abstract]

[ 主な学会発表 ]
Oguro N, Yajima N, Sakurai K, Suzuki R, Wakita T, Kurita N.
Association of dissatisfaction with family member’s medical care and interpersonal physician trust and general physician trust: TRUMP2-NET study
ACP(米国内科学会)日本支部年次総会・講演会2021, Jun 26-27, 2021, Virtual meeting (P-04)