稲永 亮平 大学院生(博士課程)

稲永 亮平 大学院生(博士課程)

新百合ヶ丘総合病院 腎臓内科・透析内科 医長

稲永 亮平

Ryohei Inanaga, MD


[English version]

1987年生まれ。神奈川県出身。2013年杏林大学卒業。2022年10月福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野入学(博士課程)。

大学病院、地域の中核病院で腎臓内科医として10年間診療に携わって参りました。昨今の腎不全診療では患者さんの高齢化が進み、病態や社会背景はますます複雑化しています。私はその実態を明らかにし、患者さんと医療者の懸け橋になれるような研究を行いたいと考え、臨床疫学分野への入学を決意いたしました。実りのある臨床研究を発信できるよう日々研鑽を積んで参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【所属学会・資格】
日本内科学会(総合内科専門医・内科指導医)
日本腎臓学会(専門医)
日本透析医学会
日本腹膜透析医学会
日本リウマチ学会
インフェクションコントロールドクター

【研修歴・臨床歴】
2013年 杏林大学医学部付属病院 初期臨床研修
2015年 杏林大学医学部付属病院 腎臓リウマチ膠原病内科
2017年 虎の門病院分院 腎センター内科 / 白河病院 内科
2018年 新百合ヶ丘総合病院 腎臓内科・透析内科


【主な臨床研究】

  1. Shibagaki Y, Sofue T, Kawarazaki H, Toida T, Suzuki T, Nishiwaki H, Asano K, Terawaki H, Ito T, Oka H, Nagai K, Murakami M, Nagai K, Komukai D, Adachi T, Furukata S, Tsutsui T, Fujisaki K, Sugitani S, Shimizu H, Nishino T, Asada H, Shimizu H, Tsukamoto T, Nakaya I, Yamada Y, Inanaga R, Yamada S, Nakanishi S, Maeda A, Yamamoto M, Hirashio S, Okamoto T, Nakamura T, Miyoshi K, Kado H, Toda S, Shibata S, Nishi K, Yamamoto M, Naganuma T, Zamami R, Furusho M, Miyasato H, Tamura Y, Raita Y, Fukuhara C, Uehara K, Inoue K, Taki Y, Nakano N, Kurita N#. (#last author)
    Japanese Patients’ Perceptions of Shared Decision-Making in Renal Replacement Therapy
    Kidney International Reports 2025; (in press)
  2. Kanakubo Y, Kurita N#, Ukai M, Aita T, Inanaga R, Kawaji A, Toishi T, Matsunami M, Munakata Y, Suzuki T, Okada T. (#corresponding author)
    血液透析における人を中心に据えた医療の質とアドバンスケアプランニングへの参加との関連性
    BMJ Supportive & Palliative Care 2024; 14: e2872-e2879. doi:10.1136/spcare-2024-004831

  3. Inanaga R, Toida T, Aita T, Kanakubo Y, Ukai M, Toishi T, Kawaji A, Matsunami M, Okada T, Munakata Y, Suzuki T, Kurita N#. (#corresponding author)
    血液透析患者における医師への信頼、多次元ヘルスリテラシー、服薬アドヒアランスの関係性
    Clinical Journal of the American Society of Nephrology 2024; 19: 463-471. doi:10.2215/CJN.0000000000000392

    日本の血液透析患者を対象に質問紙調査を行い、健康に関する情報を入手して適切に活用する力(ヘルスリテラシー)が服薬を指示通りに続ける程度(服薬の遵守度)にどのように影響するか、またこの影響が医師への信頼度によってどのように中継されるかを調査しました。

    その結果、機能的なヘルスリテラシーと伝達的なヘルスリテラシーは、服薬の遵守度と良い関係があることが分かりましたが、批判的なヘルスリテラシーが高いと服薬の遵守度が低下する傾向がありました。さらに、これらのヘルスリテラシーと服薬の遵守度の関係は、医師への信頼によって中継される可能性が示されました。言いかえると、健康情報を理解する力が高いほど、服薬の遵守度が高くなりますが、これは医師の治療の説明などに対する信頼が役割を果たしており、信頼するほど医師の指示通りに服薬を続けられる傾向があるという考えを、研究が支持しました。
    この結果から、血液透析患者の服薬の遵守度を向上させるためには、適切なヘルスリテラシーに対応したアプローチだけでなく、医師との信頼関係の構築も重要であることが確認できました。[※研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。福島医大 人工透析患者の服薬行動調査 効用に懐疑で中断の傾向 稲永医師、栗田特任教授のチーム. 福島民報. 2024年1月31日 日刊21ページ. また、研究成果が、福島民友 日刊に掲載されました。医療情報 積極収集する患者 服薬順守度高く 福島医大の稲永医師ら調査. 福島民友. 2024年1月31日 日刊19ページ.]