主指導教員が第3回日本在宅医療連合学会大会のシンポジウムで講演を行いました。
主指導教員の栗田が11月27日-28日に開催された第3回日本在宅医療連合学会大会のシンポジウムで講演を行いました。
指導教員は、「ZEVIOUS研究の体制づくり・成果と課題:在宅医療患者のQOL・ホープも見据えて」のお題で講演しました。現在、東京・奈良・長崎の29施設、およそ40名の在宅医療医のご支援で実現しているZEVIOUS研究(Zaitaku Evaluative Initiatives and Outcome Study)のプロジェクトをもとに、ケアやアウトカムの可視化に至るまでの、ゼロベースからのチーム作り・ロジスティクス・課題を討論しました。患者や在宅医にとって役立つ臨床研究を共に進めていきたいと願う先生方と、プロジェクトを共有する目的で講演いたしました。
このシンポジウムでは、以下の知見が段階的に共有されました:
①在宅医療のケアの質には、医療の患者中心性という側面がある。この程度は、患者間で大きく異なり、ACPの話し合いの頻度とも関係することを、林先生(鉄祐会)が報告しました(2021年第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会)。
②要介護度は、その分類の通り、日常生活機能や身体機能とある程度相関するが、同じ要介護度の中でも機能に多様性があることを次橋先生・廣瀬先生が報告しました(Geriatr Gerontol Int. 2021;21:229-37)。
③次いで、精神的な機能や社会的な機能と要介護度の相関は、身体的な機能との相関に比べて弱いことを示しました(2021年第47回日本診療情報管理学会学術大会)。
④在宅医と患者や家族の双方が望むアウトカムであろう、患者のQOLやホープの実際を紹介しました。
発表内容は、大学院や福島での研究・教育活動を通じて出会った、多くの先生方のご協力に基づくものでした。科学研究費補助金の助成を受けて実施し得たものです(基盤研究(C) 課題番号25460638; 基盤研究(B) 課題番号16H05216; 若手研究 課題番号18K17970)。