大学院研究生の片山皓太先生が博士(医学)の学位を授与されました。

片山皓太先生が、博士(医学)の学位を授与されました。誤嚥性肺炎で入院後、早期の嚥下リハビリテーション評価を受けた高齢患者さんでは、食事の再開を入院24時間以内、24時間から48時間以内にした方が、それ以上経過してからする場合に比べて在院日数が短くなる可能性を研究で示した成果でご評価を頂きました。

ご自身が勤務した白河厚生総合病院の診療で得たデータからご高齢の方の誤嚥性肺炎の診療の参考になる成果を発信したことで、県内のメディア記事にも掲載されました。その結果、掲載記事を読んで嚥下リハビリテーションを希望する患者さんが遠方から尋ねてくるようになったとお聞きしました。若き総合診療医が福島内で臨床と研究を完結させ、社会に成果を還元するまでのお手伝いに関われたことに感謝しております。白河総合診療アカデミーの竹島先生、宮下先生、高田先生らからもご指導をいただけたことも幸いでした。

Katayama K, Kurita N#, Takada T, Miyashita J, Azuma T, Fukuhara S, Takeshima T. (#corresponding author)
嚥下リハビリテーションを受けた誤嚥性肺炎の高齢者における経口摂取開始のタイミングと院内アウトカムの関係性
Clinical Nutrition 2022; 41: 2219-2225. doi:10.1016/j.clnu.2022.07.037

福島県白河市にある白河厚生総合病院に入院して摂食・嚥下リハビリテーションを受けた高齢者の誤嚥性肺炎の患者を対象に、24時間以内に口から食べ始めること(経口摂取の早期開始)が院内アウトカムとどのように関係するのかを分析しました。その結果、24時間以内に食べ始めた場合は、48時間以降に食べ始めた場合に比べて、口から食べられるまま退院できる可能性(経口摂取退院)が増えるという十分な証拠は得られませんでしたが、入院期間が短くなることがわかりました。慎重に嚥下機能を評価し、早期に口から食べ始めるかどうかを決めることで、誤嚥性肺炎の予後を悪化させずに入院期間を短縮できる可能性が示されました。この研究は、片山皓太先生(当時のシニアレジデント)が行ったもので、白河総合診療アカデミーの教員とともに力を合わせてチームで取り組んだものです。リサーチ・クエスチョンの明確化に高田先生・宮下先生・東先生・福原先生で指導され、リサーチ・クエスチョンの明確化・統計解析・論文化に竹島先生・主指導教員がコミットしました。[※研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。誤嚥性肺炎患者の経口摂取 1日以内再開で入院日数が短縮. 福島民報. 2022年10月25日 日刊20ページ. また、福島民友に掲載されました。誤嚥性肺炎の患者 入院24時間以内の食事再開 退院まで日数短縮 福島医大研究. 福島民友. 2022年10月25日 日刊20ページ.]

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