次橋 幸男 客員講師
客員講師
次橋 幸男
Yukio Tsugihashi, MD, MPH, MMM, PhD
兵庫県出身。2004年佐賀医科大学卒業。天理よろづ相談所病院にて初期・内科後期研修を修了。その後、内科、在宅医療の専門医として同院の臨床に従事しつつ、公衆衛生、医療マネジメント、医療政策を大学院で学んだ。2010年京都大学大学院社会健康医学系専攻臨床研究者養成(MCR)コース修了(MPH)。2016年南カリフォルニア大学大学院(ビジネススクール)医療マネジメント修士過程修了(MMM)。2021年奈良県立医科大学大学院公衆衛生学医学博士課程修了(早期修了, PhD)。奈良県立医科大学博士(医学)。2019年からAdministrative physicianとして法人企画準備室(次長)と2020年からは奈良県医療政策局(嘱託職員、地域医療アドバイザー)において、病院及び地域医療マネジメント、研究、教育に取り組んでいる。
急性期医療の現場において判断能力の衰えた高齢患者に高度医療が日常的に行われていることに疑問を感じた。この課題を解決するためには心の通った継続ケアの提供体制、地域医療ネットワークの構築が重要だと考えている。
【所属学会・資格】
日本内科学会(総合内科専門医/指導医)
日本在宅医療連合学会(在宅医療専門医/指導医)
社会医学系専門医
プライマリ・ケア連合学会(プライマリ・ケア認定医/指導医)
【主な臨床研究】
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Tsugihashi Y, Yasunaka M, Hayashi S, Iida H, Shirahige Y, Kurita N, and the ZEVIOUS group.在宅医療患者における実際の余命と健康関連ホープとの関係性:ZEVIOUSコホート研究Geriatrics & Gerontology International 2024; doi:10.1111/ggi.15029 (in press)
東京・奈良・長崎で在宅医療を受ける患者さんを対象に、人生の最期の期間を追跡した後に、調査開始時点のQOL、およびホープとの関係性を分析しました。QOLはQOL-HC(高得点ほどQOLが高い)で、ホープは健康関連ホープ尺度のドメインスコア(「健康」、「役割とつながり」、「生きがい」:高得点ほど希望が高い)で評価しました。その結果、最後の期間が短い患者ほど、ホープのすべてのサブドメインが低下していました。この結果は、担当医が予測した期待余命とホープの先行研究で、「役割とつながり」というサブドメインが維持されている結果とは相反するものでした。先行研究の結果は、在宅医が希望や感謝を伝える患者さんを診たときに余命がわずかとみなす傾向があることで説明できるかもしれません。もしかすると本研究結果のように患者のホープが失われつつある状況を過小評価している可能性があります。したがって、患者の"真のホープ"の程度を理解するためには、在宅医が継続的な対話を重ねて、たとえ本音をはっきり言わなくても推測する努力が求められているのかもしれません。
長崎在宅Dr.ネット・天理よろづ相談所白川分院と奈良県内でご活躍の先生方・医療法人社団鉄祐会とチームで行う、ZEVIOUS研究(Zaitaku Evaluative Initiatives and Outcome Study)の成果(チームプロダクト)です。主筆は、次橋幸男先生がが務められました。主指導教員は、ロジスティクスを含めた研究計画の立案・解析・論文化支援でフルコミットしました。 -
Iida H, Hayashi S, Yasunaka M, Tsugihashi Y, Hirose M, Shirahige Y, Kurita N, and the ZEVIOUS group.BMJ Open 2024; doi:10.1136/bmjopen-2024-089639 (in press)
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Yasunaka M, Tsugihashi Y, Hayashi S, Iida H, Hirose M, Shirahige Y, Kurita N, and the ZEVIOUS group.在宅医療患者における期待余命と生活の質および健康関連ホープとの関係性:ZEVIOUS研究PLOS ONE 2023; 18: e0295672. doi:10.1371/journal.pone.0295672
東京・奈良・長崎で在宅医療を受ける患者の期待余命(どれぐらいの年数を生きるかを担当医が予測したもの)と生活機能、QOL、およびホープとの関係性を横断的に分析しました。生活機能はWHODAS 2.0(高得点ほど機能と障害が悪い)で、QOLはQOL-HC(高得点ほどQOLが高い)で、ホープは健康関連ホープ尺度のドメインスコア(「健康」、「役割とつながり」、「生きがい」:高得点ほど希望が高い)で評価しました。期待余命が短いほどQOLスコアが高くなる一方で、生活機能は低くなることがわかりました。期待余命が短いほど、「生きがい」スコアは低くなる一方で、「役割とつながり」については顕著な違いは示されませんでした。
長崎在宅Dr.ネット・天理よろづ相談所白川分院と奈良県内でご活躍の先生方・医療法人社団鉄祐会とチームで行う、ZEVIOUS研究(Zaitaku Evaluative Initiatives and Outcome Study)の成果(チームプロダクト)です。主筆は安中正和先生が務められ、次橋幸男先生が加勢しました。主指導教員は、ロジスティクスを含めた研究計画の立案・解析・論文化でフルコミットしました。 -
Hayashi S, Shirahige Y, Fujioka S, Tsugihashi Y, Iida H, Hirose M, Yasunaka M, Kurita N, and the ZEVIOUS group.在宅医療患者における患者本位の医療とアドバンスケアプランニングとの関係性:ZEVIOUS研究Family Practice 2023; 40: 211–217. doi:10.1093/fampra/cmac062
東京・奈良・長崎で在宅医療を受ける患者の患者経験(ひらたく言えば、患者さん本位の医療を受けた経験を評価するスコア)とアドバンスケアプランニングの参加との関係性を横断的に分析しました。患者経験はプライマリ・ケアの質を反映するJPCAT-SFで評価しました。患者経験が良好であるほど、アドバンスケアプランニングの参加割合が高いことを示しました。患者経験のドメイン別に調べても同様の関係性があることも確認できました。
医療法人社団鉄祐会・長崎在宅Dr.ネット・天理よろづ相談所白川分院と奈良県内でご活躍の先生方とチームで行う、ZEVIOUS研究(Zaitaku Evaluative Initiatives and Outcome Study)の成果(チームプロダクト)です。主指導教員が、ロジスティクスを含めた研究計画の立案・解析・論文化でフルコミットしました。 -
Tsugihashi Y, Hirose M, Iida H, Hayashi S, Yasunaka M, Shirahige Y, Kurita N, and the ZEVIOUS group.在宅医療患者における要介護度分類の妥当性を日常生活機能・サルコペニアの主観的な指標から検証する:ZEVIOUS研究Geriatrics & Gerontology International 2021; 21: 229-237. doi:10.1111/ggi.14124
東京・奈良・長崎で在宅医療を受ける患者の要介護度と自己報告による生活機能・身体機能との関係性を横断的に分析しました。生活機能は国際生活機能分類(ICF)を反映するWHODAS2.0で、身体機能はサルコペニアのスクリーニングで用いられるSARC-Fで評価しました。要介護度が高くなるほど、自己報告に基づく生活機能や身体機能のレベルが低下することを示しました。
長崎在宅Dr.ネット・医療法人社団鉄祐会・天理よろづ相談所白川分院と奈良県内でご活躍の先生方とチームで行う、ZEVIOUS研究(Zaitaku Evaluative Initiatives and Outcome Study)の成果(チームプロダクト)です。
- Tsugihashi Y, et al. Long-term prognosis of enteral feeding and parenteral nutrition in a population aged 75 years and older: a population-based cohort study.
BMC Geriatr 2021;21:80. - Nakanishi Y, Tsugihashi Y, et al. A Comparison of Japanese Centenarians’ and Non-centenarians’ Medical Expenditures in the Last Year of Life.
JAMA Netw Open 2021; 4(11):e2131884. - Nagano H, Tsugihashi Y, et al. Competencies for on-call physicians for home medical care: A qualitative study of home care providers' experiences in Japan’s super-aged society.
J Gen Fam Med 2022;00:1–7.