SPSS-OKプロジェクトの第10報目となる研究が、整形外科手術分野のトップジャーナルのひとつであり、股関節および膝関節の関節形成術に焦点を当てた学術誌であるThe Journal of Arthroplastyから出版されました。膝関節置換術およそ850名を分析した研究です。バイオインピーダンス測定で得られる位相角(PhA)と手術後1年間にわたる大腿四頭筋の筋力の推移との関係性を調べました。その結果、PhAが高いほど術後早期の筋力の低下が見られる傾向にありましたが、術後1年近くになると筋力の改善が高い傾向にあることがわかりました。主指導教員が研究デザインの立案・解析・論文化を支援しました。あんしん病院の理学療法士で院長補佐の和田先生、京都大学の 紙谷司先生との共同研究でもあり、このご縁をいただいたことと、プロジェクトの支援をして頂いている皆様に感謝しております。科学研究費補助金の助成を受けて実施した研究です。[11月28日までは論文がフリーで閲覧できます:こちらをクリック]
業績
変形性膝関節症で手術を要する患者さんでは、しばしば手術が予定されている側とは反対側にも膝関節症があり、両側の膝の痛みを有している場合があります。片方の手術をした後で、手術をしていない側(非術側)の膝の痛みがどのように変化するかを調べ、さらに運動機能に与える影響を評価しました。
その結果、手術してから半年後、非術側の膝の痛みを経験した患者さんが27.6%いました。非術側の膝関節症の重症度が高い場合や、筋力が弱い場合にそのようになりやすいことがわかりました。また、非術側の膝の痛みが術後に強いほど、その後の機能的活動度が低下しやすいことも明らかになりました。京都大学の 紙谷司先生が主筆で、あんしん病院の和田先生らとともに発信したチームプロダクトです。指導教員の栗田宜明が研究デザインの立案から始めたプロジェクトからの成果であり、解析・論文化までを支援しました。
SPSS-OKプロジェクトの第8報目となります。腰部脊柱管狭窄症およそ500名を分析した研究です。バイオインピーダンス測定で得られる位相角(PhA)が高いほど、腰痛に伴う機能障害は少ないことを示しました。この関係性は、腰痛・下肢痛・下肢のしびれ・脂肪量・筋肉量と独立していました。腰痛に伴う機能障害は、Oswestry Disability Index(ODI)によって評価されました。主指導教員が研究デザインの立案・解析・論文化を支援しました。あんしん病院の理学療法士で院長補佐の和田先生や整形外科の先生方、京都大学の 紙谷司先生、筑波大学の山田実教授との共同研究でもあり、このご縁をいただいたことと、プロジェクトの支援をして頂いている皆様に感謝しております。科学研究費補助金の助成を受けて実施した研究です。