Hypomagnesemia in Peritoneal and Hybrid Dialysis: Prevalence, Predictors, and Association with Atrial Fibrillation

Nakata K*, Toida T*, Kurita N#, Abe M, Hanafusa N, Joki N. (*co-first authors, #corresponding author)
腹膜透析・ハイブリッド透析で遭遇する低マグネシウム血症:有病率と関連因子、心房細動との関連性
Clinical and Experimental Nephrology 2025; doi:10.1007/s10157-025-02810-9 (in press)

本研究では、腹膜透析患者における血清マグネシウム低値の頻度と、その関連因子を明らかにし、さらに血清マグネシウムと心房細動との関係を検討しました。

血清マグネシウム値が 1.5 mg/dL以下であった割合は、

  • 腹膜透析単独:6.2%

  • 血液透析との併用療法:3.6%

  • 血液透析:0.5%
    と、腹膜透析患者で高いことが分かりました。

また、血清マグネシウム低値は心房細動の有病と強く関連しており、調整後オッズ比では約3倍の関連が認められました。

さらに、

  • 残腎機能が高いこと

  • 1日あたりの透析液使用量が多いこと

  • 腹膜平衡試験(PET)における D/P 比が高いこと

  • アイコデキストリンの使用

が、血清マグネシウム低値と関連していました。ただし、この知見は横断研究のデザインに基づくため、さらなる因果関係の検証が必要です。

本研究は、東邦大学 常喜教授とともに研究課題を発案し、同大学の中田先生、博士研究員の戸井田先生、および主指導教員が解析・論文化に携わりました [※論文の詳細は こちら よりご覧いただけます]。