変形性膝関節症およそ2200脚を分析した研究です。バイオインピーダンス測定で得られる位相角(PhA)は、X線重症度が高いほど低い値となり、その傾向には性差がある可能性が示唆されました。また、位相角(PhA)が大きいほど、大腿四頭筋筋力が高くなることが示されました。大腿四頭筋筋力を評価するために、位相角に着目することも重要であることを示しました。主指導教員が研究デザインの立案・解析・論文化を支援しました。筑波大学の山田実教授との共同研究でもあり、このご縁をいただいたことと、プロジェクトの支援をして頂いている皆様に感謝しております。全文読めます[free-fulltext]。
業績
Wada O, Kurita N#, Yamada M, Mizuno K. (#corresponding author)
変形性膝関節症におけるX線重症度、位相角(PhA)、大腿四頭筋筋力の関係性:SPSS-OK研究
Clinical Rheumatology
2020;
39:
3049-3056.
doi:10.1007/s10067-020-05056-w
Kurita N#, Wakita T, Kamitani T, Wada O, Mizuno K. (#corresponding author)
運動器疾患でのサルコペニア拾い上げを目的としたSARC-F質問票の診断精度の検証と、SARC-F+EBM診断法の開発
The Journal of Nutrition, Health & Aging
2019;
23:
732-738.
doi:10.1007/s12603-019-1222-x
サルコペニアのスクリーニングで用いられるSARC-F質問票の診断精度を、運動器疾患およそ960人で検証しました。さらに、"EBM"(EldelyとBMI)の追加による診断精度の改善を調べました。感度・特異度は、SARC-F単独では不良でしたが、SARC-F+EBMでは約80%・70%でした。SARC-F単独に比べて、SARC-F+EBMの感度やAUCが優れました。この簡便な"SARC-F+EBM"がスクリーニングに応用できる可能性を示しました。科学研究費補助金の助成を受けて実施した研究です。[free-fulltext (全文読めます)][※研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。加齢や疾患で筋肉量減少 サルコペニアの新診断方法考案. 福島民報. 2019年8月1日 日刊29ページ. また、福島民友に掲載されました。筋力低下に新診断選別法 福島医大 栗田特任教授チーム. 福島民友. 2019年8月11日 日刊4ページ.]
Kurita N#, Kamitani T, Wada O, Shintani A, Mizuno K. (#corresponding author)
変形性関節症において、痛みや炎症を伴う状況での筋肉バイオマーカーとサルコペニアの関係性をひも解く:SPSS-OK研究
Journal of Clinical Rheumatology
2021;
27:
56-63.
doi:10.1097/RHU.0000000000001156
変形性関節症およそ1400症例を対象にした研究です。クレアチンキナーゼ(CK)の値が低いほど、サルコペニア(筋肉量が減り、筋力が落ちることによる症候群)であることが分かりました。変形性関節症に伴いやすい炎症や痛みは、サルコペニアと関連がありませんでした。アウトカムのサルコペニア基準がアジア版でも、ヨーロッパ版でも、結果は同じでした。今後は、CKなどを含めた臨床情報の組み合わせで診断が可能であるか検討する予定です。
Omae K, Yamamoto Y, Kurita N, Takeshima T, Naganuma T, Takahashi S, Ohnishi T, Ito F, Yoshioka T, Fukuhara S, and The Sukagawa Study Group
健康な地域在住超高齢者における歩行速度と過活動膀胱:須賀川研究
Neurourology and Urodynamics
2019;
38:
2324-2332.
doi:10.1002/nau.24148
Wada O, Kurita N#, Kamitani T, Nakano N, Mizuno K. (#corresponding author)
Clinical Rheumatology
2019;
38:
719-725.
doi:10.1007/s10067-018-4337-2
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紹介記事(研究支援) ]