変形性関節症およそ1400症例を対象にした研究です。クレアチンキナーゼ(CK)の値が低いほど、サルコペニア(筋肉量が減り、筋力が落ちることによる症候群)であることが分かりました。変形性関節症に伴いやすい炎症や痛みは、サルコペニアと関連がありませんでした。アウトカムのサルコペニア基準がアジア版でも、ヨーロッパ版でも、結果は同じでした。今後は、CKなどを含めた臨床情報の組み合わせで診断が可能であるか検討する予定です。
業績
Kurita N#, Kamitani T, Wada O, Shintani A, Mizuno K. (#corresponding author)
変形性関節症において、痛みや炎症を伴う状況での筋肉バイオマーカーとサルコペニアの関係性をひも解く:SPSS-OK研究
Journal of Clinical Rheumatology
2021;
27:
56-63.
doi:10.1097/RHU.0000000000001156
Omae K, Yamamoto Y, Kurita N, Takeshima T, Naganuma T, Takahashi S, Ohnishi T, Ito F, Yoshioka T, Fukuhara S, and The Sukagawa Study Group
健康な地域在住超高齢者における歩行速度と過活動膀胱:須賀川研究
Neurourology and Urodynamics
2019;
38:
2324-2332.
doi:10.1002/nau.24148
Kamitani T, Yamamoto Y, Kurita N, Yamazaki S, Fukuma S, Otani K, Sekiguchi M, Onishi Y, Takegami M, Ono R, Konno S, Kikuchi S, Fukuhara S
Journal of Aging and Health
2019;
31:
67-84.
doi:10.1177/0898264317721825
Kurita N, Yamazaki S, Fukumori N, Otoshi K, Otani K, Sekiguchi M, Onishi Y, Takegami M, Ono R, Horie S, Konno S, Kikuchi S, Fukuhara S
地域在住の成人では、過活動膀胱の症状の程度は転倒に関連する:LOHAS研究
BMJ open
2013;
3:
e002413.
doi:10.1136/bmjopen-2012-002413
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海外学会誌紹介記事 ]
過活動性膀胱(かかつどうぼうこう)と転倒の関係性を分析した横断研究です。過活動膀胱は、尿意切迫感(突然にトイレに行きたくなって我慢ができない状況)を中心に、頻尿・夜間頻尿・失禁を伴うものです。過活動性膀胱の症状が重症であるほど、転倒との関連が強くなることを明らかにしました。福島県只見町・南会津町の地域住民(40歳以上、平均68歳)が対象となっています。平成20年より実施されているLOHAS研究からの成果で、京都大学医療疫学分野の福原教授、本学整形外科学講座の菊地先生・紺野教授、順天堂大学泌尿器科学講座の堀江教授のご縁で研究をさせていただくことができました。米国泌尿器科学会の医学誌で紹介されました。[海外学会誌紹介記事]
