大学院研究生の臨床研究論文が総合内科の主要ジャーナルの1つであるJournal of General Internal Medicine誌から出版されました

コモンな疾患をもつ患者本人と家族の誤診体験が、現在の主治医への信頼に及ぼす影響を調べた研究成果が、総合内科のメジャージャーナルの1つであるJournal of General Internal Medicine誌(Journal Impact Factor 2020 = 5.13)から出版されました。主治医への信頼スコアは、このたび私たちが開発した日本語版の修正Trust in Physician尺度をで測りました。全文は、こちらをクリックするとお読み頂くことができます。大学院研究生の 鈴木亮 先生が主筆で、指導教員の 栗田 宜明 が、昭和大学の 矢嶋 宣幸 先生・ 小黒 奈緒 先生、関西大学の 脇田 貴文 先生、スタンフォード大学医学部のThom教授らと連携して発信したチームプロダクトです。

Suzuki R, Yajima N, Sakurai K, Oguro N, Wakita T, Thom DH, Kurita N#. (#corresponding author)
誤診経験と現主治医への信頼との関係性
Journal of General Internal Medicine 2022; 37: 1115-1121. doi:10.1007/s11606-021-06950-y

成人の非感染性疾患(がん、糖尿病、うつ病、心疾患、膠原病)の患者を対象に、患者本人及び、患者家族の誤診経験が現主治医への信頼にどの程度影響をおよぼすのかを調べました。主治医に対する信頼は、今回我々が日本語化した11項目の改良版Trust in Physicians Scaleで評価しました。患者および家族の誤診経験は、現主治医に対する信頼の低下と関連していました(平均差 -4.30点、95%CI -8.12点~-0.49点および-3.20点、95%CI -6.34点~-0.05点)。隠れた信頼低下の原因として、患者本人や家族の誤診体験に着目することの重要性が示唆されました。スタンフォード大学医学部のThom教授との共同研究であり、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田)を受けたTRUMP2-Netプロジェクト (the Trust Measurement for Physicians and Patients - the Net survey) の成果です。[free-fulltext (全文読めます)][※研究成果が、福島民報に掲載されました。患者らの誤診体験 別の医師でも信頼低下. 福島民報. 2021年7月7日 日刊2ページ. また、福島民友に掲載されました。主治医の信頼度数値化 福島医大 患者への質問票開発. 福島民友. 2021年7月7日 日刊3ページ. また、デンマーク患者安全学会が発行するニュースレターでも紹介されました。Fagligt Nyt om patientsikkerhed, Dansk Selskab for Patientsikkerhed. 加えて、米国Agency for Healthcare Research and Qualityが発行する患者安全に関するレポートでも引用されました。Patient Experience as a Source for Understanding the Origins, Impact, and Remediation of Diagnostic Errors.]

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