矢嶋 宣幸 客員講師 (昭和大学主任教授)
客員講師
矢嶋 宣幸
Nobuyuki Yajima, MD, PhD, MPH
1999年昭和大学卒業。昭和大学病院、がん感染症センター都立駒込病院にてリウマチ膠原病診療に従事。臨床研究リテラシーの修得を目的に2014年10月より福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター、2016年4月より附属病院 臨床研究教育推進部へ異動。また、2015年4月に京都大学大学院医学研究科医療疫学分へ進学し(指導教官福原俊一先生)、2017年3月に公衆衛生修士を取得。2016年10月から昭和大学リウマチ膠原病内科助教、同11月から同講師に着任。2020年4月から昭和大学医学部内科学講座リウマチ膠原病内科学部門准教授、昭和大学病院リウマチ膠原病内科診療科長。2019年6月から昭和大学統括研究推進センター兼担。2019年12月から独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター客員研究員。2023年4月から昭和大学医学部内科学講座リウマチ膠原病内科学部門主任教授。
日本リウマチ学会認定専門医/指導医/評議員・総合内科専門医・日本臨床疫学会臨床疫学認定専門家。
日本リウマチ学会臨床研究推進委員会委員、日本リウマチ学会膠原病妊娠登録小委員会ワーキングメンバー、日本リウマチ学会ガイドライン委員会委員、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)自己免疫疾患に関する調査研究班SLE分科会研究協力者、日本臨床疫学会機関誌Annals of Clinical Epidemiology (ACE)編集委員等。
研究分野は、膠原病疾患、特に全身性エリテマトーデスに関連する疫学研究に興味をもち、疾患レジストリの構築を主導している。
特に、日本リウマチ学会臨床研究推進委員会委員として日本のリウマチ業界での臨床研究教育を推進するために臨床研究合宿の立ち上げや地方会や総会での講演活動を行っている。さらに日本リウマチ学会膠原病妊娠登録小委員会ワーキングメンバーとして日本リウマチ学会が主導した初めてのコホートであるSLEレジストリー(pleasure-J)構築の事務局の一員として携わる。
【競争的研究資金】
AMEDゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(先端ゲノム研究開発) 令和3年-令和8年 免疫担当細胞eQTLデータを用いた免疫介在性疾患ゲノム情報からの層別化および予後予測モデルの構築 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和4年-令和7年 文献レジストリ構築とリアルワールドデータによる膠原病予後因子の網羅的負荷推計 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(B) 令和4年-令和7年 trajectoryとEMAによるステロイド有害事象の機序解明と予防アプリ開発 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
AMED難治性疾患実用化研究事業 令和3年-令和6年 全身性エリテマトーデス患者の末梢血シングルセル情報を有したコホートによる妊娠合併症の発症機序の解明と発症リスクの同定 (研究代表者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和3年-令和6年 SLE患者の妊娠出産に関する診療の質指標開発と学会主導レジストリを用いた検証 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和3年-令和6年 膠原病患者の疾患活動性と育児ストレス (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和3年-令和6年 関節液由来線維芽細胞の免疫表現型解析による関節リウマチの病態解明への挑戦 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業)) 令和2年-令和5年 PRO-CTCAEの日本語版の実臨床および臨床試験における有効性の評価 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和2年-令和5年 全身性エリテマトーデス患者の行動変容を促すモバイルヘルスシステム開発と効果検証 (研究代表者:矢嶋 宣幸)
厚生労働科学研究費補助金(免疫アレルギー疾患政策研究事業) 令和1年7月-令和4年 ライフステージに応じた関節リウマチ患者支援に関する研究 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(B) 令和1年-令和4年 IT社会の医療情報が医療トラストに与えるメカニズムの解明:若年膠原病を対象として (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(C) 令和1年-令和4年 情報通信技術を活用した多職種連携による臨床研究リテラシー修得支援に関する実践研究 (研究分担者:矢嶋 宣幸)
科学研究費補助金 基盤研究(B) 平成28年-令和2年 電子診療情報と患者報告アウトカムを活用したSLE診療の質の評価システム開発と検証 (研究代表者:矢嶋 宣幸)
【受賞】
2022年 第66回日本リウマチ学会総会 秀逸ポスター賞
【主な臨床研究】
[全身性エリテマトーデスの診療の質に関する研究]
Nobuyuki Yajima, Yasushi Tsujimoto, Shingo Fukuma, Ken-ei Sada, Sayaka Shimizu, Kakuya Niihata, Ryo Takahashi, Yoshihide Asano, Teruhisa Azuma, Hideto Kameda, Masataka Kuwana, Hitoshi Kohsaka, Mayumi Sugiura-Ogasawara, Katsuya Suzuki, Tsutomu Takeuchi, Yoshiya Tanaka, Naoto Tamura, Toshihiro Matsui, Tsuneyo Mimori, Shunichi Fukuhara, Tatsuya Atsumi.
The development of quality indicators for systemic lupus erythematosus using electronic health data: a modified RAND appropriateness method.
Modern Rheumatology 2020; 30: 525-531.
[全身性エリテマトーデス患者のQOLに関する研究]
Yoshia Miyawaki, Sayaka Shimizu, Yusuke Ogawa, Ken-ei Sada, Yu Katayama, Yosuke Asano, Keigo Hayashi, Yuriko Yamamura, Sumie Hiramatsu-Asano, Keiji Ohashi, Michiko Morishita, Haruki Watanabe, Mariko Takano-Narazaki, Yoshinori Matsumoto, Nobuyuki Yajima, Ryusuke Yoshimi, Yasuhiro Shimojima, Shigeru Ohno, Hiroshi Kajiyama, Kunihiro Ichinose, Shuzo Sato, Michio Fujiwara, Hajime Yamazaki, Yosuke Yamamoto, Jun Wada, Shunichi Fukuhara.
Association of glucocorticoid doses and emotional health in lupus low disease activity state (LLDAS): a cross-sectional study.
Arthritis Research & Therapy 2021; 23: 79.
日本人のSLE(全身性エリテマトーデス)患者を対象に、主治医への信頼度と健康に関する希望(健康関連ホープ)が、薬の服用をちゃんと守ること(服薬アドヒアランス)とどう関係しているかを、調べました。主治医への信頼度が高い人や、健康に関して希望をもっている人ほど、薬をきちんと守る得点が高い傾向があることがわかりました。この研究は、科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けたTRUMP2-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとチームで取り組んだものです。[※研究成果が、Doctors.net.uk(イギリスの医師向けウェブサイト)で紹介されました。また、福島民報 日刊に掲載されました。難病・全身性エリテマトーデス患者 前向きな姿勢 主治医への信頼 ⇒ 薬正しく服用 福医大大学院の研究チームなど. 福島民報. 2023年4月19日 日刊27ページ. ]
[全身性エリテマトーデス患者の疫学に関する研究]
Mayu Saito, Nobuyuki Yajima, Ryo Yanai, Yumi Tsubokura, Kunihiro Ichinose, Ryusuke Yoshimi, Shigeru Ohno, Ken-ei Sada.
Association of glucocorticoid doses and emotional health in lupus low disease activity state (LLDAS): a cross-sectional study.
Lupus 2021: 30: 1146-1153.
Keiji Ohashi, Ken-Ei Sada, Yosuke Asano, Keigo Hayashi, Yuriko Yamamura, Sumie Hiramatsu, Yoshia Miyawaki, Michiko Morishita, Eri Katsuyama, Haruki Watanabe, Noriko Tatebe, Mariko Narazaki, Yoshinori Matsumoto, Katsue Sunahori-Watanabe, Tomoko Kawabata, Nobuyuki Yajima, Jun Wada.
Risk factors for chronic damage accumulation across different disease durations in systemic lupus erythematosus: A cross-sectional analysis of a Lupus Registry of Nationwide Institutions (LUNA).
ACTA MEDICA OKAYAMA 2020; 74: 191-191.
Michiko Morishita, Ken-Ei Sada, Keiji Ohashi, Yoshia Miyawaki, Yosuke Asano, Keigo Hayashi, Sumie Hiramatsu Asano, Yuriko Yamamura, Haruki Watanabe, Mariko Narazaki, Yoshinori Matsumoto, Tomoko Kawabata, Nobuyuki Yajima, Jun Wada.
Damage accrual related to pregnancies before and after diagnosis of systemic lupus erythematosus: a cross-sectional and nested case-control analysis from a lupus registry.
Lupus 2020; 29: 176-181.
[全身性エリテマトーデス患者の心病変に関する研究]
Masahiro Hosonuma, Nobuyuki Yajima, Ryo Takahashi, Ryo Yanai, Taka-aki Matsuyama, Eiji Toyosaki, Jumpei Saito, Kengo Kusano, Hiroshi Morita.
Fragmented QRS complex in patients with systemic lupus erythematosus at the time of diagnosis and its relationship with disease activity.
PLoS ONE 2020; 15: e0227022.
[患者と医師との信頼に関する研究]
日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、ヘルスリテラシーが主治医への信頼や医師全般への信頼とどのように関係するかを横断的に分析しました。基本的・伝達的ヘルスリテラシーが高いほど、主治医に対する信頼が厚いことがわかりました。一方で、伝達的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般への信頼が高く、批判的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般に対する信頼が低いことがわかりました。また、インターネットの利用時間が長いほど、医師全般に対する信頼度が低くなる関係性が認められましたが、主治医への信頼度が必ずしも低くなるわけではないことを示しました。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けたTRUMP2-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとのチームプロダクトです。[※本研究は、リウマチの診療に役立つ重要な論文として、ジャーナルの編集長であるSilverman博士によって「Editor's Picks」に選ばれました。そして、ポッドキャストでも紹介されました(15:16-17:53)。また、研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。難病全身性エリテマトーデス患者 情報を積極的に収集 医師への信頼度高く 福島医大大学院 研究チームまとめ. 福島民報. 2023年1月29日 日刊21ページ. また、福島民友に掲載されました。患者と対話で信頼醸成 福島医大 ヘルスリテラシー研究. 福島民友. 2023年1月27日 日刊3ページ.]
[関節リウマチ患者の運動に関する研究]
Yoichi Toyoshima, Nobuyuki Yajima, Tetsuya Nemoto, Osamu Namiki, Katsunori Inagaki.
Relationship between disease activity level and physical activity in rheumatoid arthritis using a triaxial accelerometer and self-reported questionnaire.
BMC Research Notes 2021; 14: 242.
[関節リウマチの生物学的製剤に関する研究]
Suguru Honda, Ryoko Sakai, Eisuke Inoue, Masako Majima, Naoko Konda, Hideto Takada, Mari Kihara, Nobuyuki Yajima, Toshihiro Nanki, Kazuhiko Yamamoto, Tsutomu Takeuchi, Masayoshi Harigai.
Association of methotrexate use and lymphoproliferative disorder in patients with rheumatoid arthritis: Results from a Japanese multi-institutional retrospective study.
Modern Rheumatology 2022; 32: 16-23.
Oguro N, Yajima N, Miwa Y.
Age and quality of life for in patients with rheumatoid arthritis patients treated with biologic agents.
Modern Rheumatology 2020; 30: 44-49.
Yuzo Ikari, Nobuyuki Yajima, Yusuke Miwa.
The association between age and adverse events due to biologic disease-modifying antirheumatic drugs in patients with rheumatoid arthritis.
Medicine (Baltimore) 2022; 99: e23861-e23861.
[須賀川コホートからの研究]
須賀川市の後期高齢者288名(平均年齢80歳)を対象に、一日食塩摂取量(田中式で推定)、体重と血圧上昇との関連を横断的に調査しました。一日食塩摂取量の平均は9.1g/日でした。食塩摂取量と体重の1標準偏差あたりの増加が、収縮期血圧4.1mmHg および5.3mmHg の上昇と関連しました。体重の1標準偏差あたりの増加が、拡張期血圧2.7mmHg の上昇と関連しました。生活習慣の変容により後期高齢者の血圧を管理できる可能性を示しました。大学院研究生の飯田 英和先生が着想し、主指導教員が解析論文化を指導しました。臨床研究イノベーションセンターのOB・現スタッフの努力の賜物で行うことができた研究です。須賀川市にも還元しうる知見を得ました。皆様のお蔭でありますため、筆頭著者・主指導教員ともにこの機会を頂いたことに大変感謝しております。[※研究成果が、7月11日の 福島民報 日刊に掲載されました。後期高齢者の高血圧 食塩摂取量と体重 関連. 福島民報. 2019年7月11日 日刊25ページ.]