博士研究員の医師・患者関係に関する臨床研究論文がThe Journal of Rheumatology誌から出版されました

SLE患者のヘルスリテラシーと医師への信頼がどのように関係するかを調べた研究です。医師全般に対する信頼度は、批判的ヘルスリテラシーが高いほど低くなりました。一方で、主治医に対する信頼度は、伝達的ヘルスリテラシーが高いほど低くなる関係は認められませんでした。また、医師全般に対する信頼度と主治医に対する信頼度は、伝達的ヘルスリテラシーが高いほど高くなりました。患者さんそれぞれのヘルスリテラシーに合わせてコミュニケーションの改善をはかることによって、信頼関係が醸成される可能性が示唆されました。
科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果です。
博士研究員の 小黒奈緒 先生が主筆で、指導教員の 栗田 宜明 が、リサーチ・クエスチョンの明確化・デザインと解析計画・論文化でコミットしました。


Oguro N, Yajima N, Miyawaki Y, Yoshimi R, Shimojima Y, Sada KE, Hayashi K, Shidahara K, Sakurai N, Hidekawa C, Kishida D, Ichikawa T, Ishikawa Y, Kurita N#. (#corresponding author)
全身性エリテマトーデス(SLE)患者の伝達的・批判的ヘルスリテラシーが医師への信頼に与えるインパクト:TRUMP2-SLEプロジェクト
The Journal of Rheumatology 2023; 50: 649-655. doi:10.3899/jrheum.220678

日本人の全身性エリテマトーデス(SLE)の方々を対象に、ヘルスリテラシーが主治医への信頼や医師全般への信頼とどのように関係するかを横断的に分析しました。基本的・伝達的ヘルスリテラシーが高いほど、主治医に対する信頼が厚いことがわかりました。一方で、伝達的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般への信頼が高く、批判的ヘルスリテラシーが高いほど医師全般に対する信頼が低いことがわかりました。また、インターネットの利用時間が長いほど、医師全般に対する信頼度が低くなる関係性が認められましたが、主治医への信頼度が必ずしも低くなるわけではないことを示しました。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2♠️-SLEプロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果であり、昭和大学の矢嶋先生、高知大学の佐田先生、信州大学の下島先生、横浜市立大学の吉見先生、岡山大学の宮脇先生らとのチームプロダクトです。[※本研究は、リウマチの診療に役立つ重要な論文として、ジャーナルの編集長であるSilverman博士によって「Editor's Picks」に選ばれました。そして、ポッドキャストでも紹介されました(15:16-17:53)。また、研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。難病全身性エリテマトーデス患者 情報を積極的に収集 医師への信頼度高く 福島医大大学院 研究チームまとめ. 福島民報. 2023年1月29日 日刊21ページ. また、福島民友に掲載されました。患者と対話で信頼醸成 福島医大 ヘルスリテラシー研究. 福島民友. 2023年1月27日 日刊3ページ.]

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