予測モデル/prediction models

Nishiwaki H*, Niihata K*, Kinoshita M, Fujimura M, Kurosawa K, Sakuramachi Y, Takano K, Matsunaga S, Okamura S, Kitatani M, Tsujii S, Hayashino Y, Kurita N. (*equally contributed)
糖尿病で持続的な微量アルブミン尿への進展を予測する尿中C-メガリン:コホート研究
Diabetes Research and Clinical Practice 2022; 186: 109810. doi:10.1016/j.diabres.2022.109810

尿中バイオマーカーの1つ、C-megalinが、早期の糖尿病性腎症(微量アルブミン尿の持続)の発症を予測するか否かを検証したコホート研究です。1型糖尿病と2型糖尿病の方752名を対象にしました。尿中C-megalin・クレアチニン比は、尿中アルブミンの量が少ない状態であるほど、微量アルブミン尿の発生との関係性が強くなることが示されました。また、尿中アルブミンに尿中C-megalinを上乗せすることで、持続する微量アルブミン尿の発症予測が改善する可能性も示されました。主指導教員が、ロジスティクスを含めた研究計画の立案・解析・論文化を進めました。メンターのお1人であった林野泰明先生(天理よろづ相談所病院)のご支援や、きっかけを作ってくださった淺沼克彦教授(千葉大学)や福原教授(京都大学)など、多くのご縁のお蔭で第二弾を可視化することができました。[※研究成果が、福島民報 日刊に掲載されました。糖尿病患者、腎臓での合併症 予測に新検査法「有効」. 福島民報. 2022年3月29日 日刊25ページ. また、福島民友に掲載されました。糖尿病性腎症の発症予測 検査方法開発へ 福島医大. 福島民友. 2022年4月1日 日刊3ページ.]

Kamitani T, Wakita T, Wada O, Mizuno K, Kurita N#. (#corresponding author)
"U-TEST" - 整形外科患者におけるサルコペニアの簡便な診断サポートツール: SPSS-OK研究
British Journal of Nutrition 2021; 126: 1323-1330. doi:10.1017/S0007114521000106

SPSS-OKプロジェクトの第7報目となります。2つの質問と2つの患者属性からサルコペニアを診断するサポートツールを開発して、U-TESTと名づけました (U = Underweight, T = Thinning, E = Elderly, ST = Strength)。京都大学の 紙谷司先生が主筆で、あんしん病院の和田先生、関西大学の 脇田 貴文先生らとともに発信したチームプロダクトです。指導教員の栗田宜明が研究デザインの立案から始めたプロジェクトからの成果であり、解析・論文化までを支援しました。[※研究成果を発表した筆頭演者の紙谷司先生に対して、2022年2月25日に第6回日本栄養・嚥下理学療法研究会学術大会 大会長賞が送られました: 記事URL ]

Omae K, Kurita N, Takeshima T, Naganuma T, Takahashi S, Yoshioka T, Onishi T, Ito F, Hamaguchi S, Fukuhara S, and The Sukagawa Study Group.
地域在住の高齢者における転倒の予測因子としての過活動性膀胱の意義
The Journal of Urology 2021; 205: 219-225. doi:10.1097/JU.0000000000001344
Doi T*, Yamamoto S*, Morinaga T*, Sada K*, Kurita N*, Onishi Y. (*Equally contributed)
透析前腎臓診療を受けていた慢性腎臓病ステージ5の、血液透析を導入してから1年以内の生存を予測するスコア
PLoS One 2015; 10: e0129180. doi:10.1371/journal.pone.0129180
[ 紹介記事(日本語) ]

血液透析患者の生命予後は以前に比べて改善している一方で、血液透析導入後に早期にお亡くなりになる患者さんも残念ながらいらっしゃいます。そのような患者を予測することは、透析導入の意思決定を医師・患者間で行う際に有用な情報となる可能性があります。本研究では、保存期腎不全診療を受けていた患者において、血液透析導入1年後の死亡リスクを予測するスコアを開発しました。予測に使う因子は、血液透析導入時の診療情報から入手可能なものです。さらに、予測スコアの内的妥当性も検証しました。今後、外部妥当性の検証が必要です。ご縁を頂き、広島大学・新潟大学・名古屋大学・岡山大学の腎臓・透析医の先生方とともにご一緒することができた研究です。他大学の先生がリサーチ・クエスチョンを考案され、教員が研究計画の立案、解析、論文化にコミットしました。

Kawada H*, Kurita N*, Nakamura F, Kawamura J, Hasegawa S, Kotake K, Sugihara K, Fukuhara S, Sakai Y. (*Equally contributed)
British Journal of Surgery 2014; 101: 1143-1152. doi:10.1002/bjs.9548

大腸がんのステージ(病期)分類に用いられるTNM分類には、かつて主要血管根部のリンパ節転移の有無が含まれていました。TNM分類7版には、主要血管根部のリンパ節転移が含まれず、その代わりに転移リンパ節の個数でリンパ節分類が決まっていました。本研究は、根治的リンパ節廓清をうけたステージIIIの大腸癌がんの多施設コホートを用い、主要血管根部のリンパ節転移がTNM分類7版と独立に、生命予後に関連することを示した。また、TNM分類7版に主要血管根部のリンパ節転移を加えると、生命予後の予測が改善することを示した。筆頭著者の川田先生(当時、京都大学)がリサーチ・クエスチョンを考案され、教員が解析・論文化でコミットしました。