Long-Term Frailty Progression and Mortality in Hemodialysis: Impact of Dialysis Duration and Baseline Frailty in a Nationwide Japanese Cohort

Niihata K*, Kurita N*#, Inanaga R, Toida T, Abe M, Masaki T, Yamamoto S. (*co-first authors; #corresponding author)
Clinical and Experimental Nephrology 2026; 30: 767–779. doi:10.1007/s10157-026-02839-4

透析療法を受ける方、特に高齢の方では、「長く生きること」だけでなく、「自分で生活できること」や「疲れにくく過ごせること」を大切にされる場合があります。
このような価値観が重視されるなかでも、透析期間の長期化がフレイル(虚弱)や寝たきりの進行とどのように関連するのか、またベースライン時の身体機能状態が長期予後にどのような影響を与えるのかについては、十分に明らかになっていませんでした。

そこで本研究では、日本透析医学会レジストリ(JRDR)を用いて、約22万人の維持血液透析を受ける方を8年間追跡し、身体機能の変化を検討しました。

その結果、8年後には59.9%がお亡くなりになり、8.8%がフレイル、2.4%が寝たきりとなっていました。
また、透析歴が長い方ほど、その後のフレイル、寝たきり、死亡のリスクが段階的に高くなる「用量依存的な関連」が認められました。

さらに、ベースラインで寝たきりだった方は、非フレイルの方と比べて死亡リスクが16倍以上高くなっていました。

死因にも特徴がみられ、非フレイルの方では脳血管障害や心筋梗塞による死亡が比較的多かった一方、フレイルや寝たきりの方では、感染症や心不全による死亡が多くみられました。

一方で、ベースラインで非フレイルだった方でも、8年後に「非フレイルのまま生存」していた割合は約40%に留まっていました。

これらの結果は、透析導入後の長期経過を見据えながら、早い段階からご本人の価値観を共有し、「どのように生活したいか」を含めた人生設計や個別化ケアについて対話していく必要性を示唆しています。