
ワクチン普及後の血液透析患者におけるCOVID-19への不安と、多面的なヘルスリテラシーとの関連を調査した多施設共同研究です。研究の結果、透析患者のCOVID-19への不安は、パンデミック初期の一般市民より低いことが示されました。一方で、情報を「読んで理解する力」である機能的ヘルスリテラシーが低い患者ほど不安が強く、逆に、情報を「批判的に吟味する力」である批判的ヘルスリテラシーが高い患者ほど不安が強いことが明らかになりました。これらの結果は、医療従事者が患者のリテラシー特性に応じて、平易で理解しやすい情報提供や、情報の適切な解釈を支援することの重要性を示唆しています。本研究は、将来のパンデミック時における患者支援のあり方を考えるうえで重要な知見を提供するものです。
健康情報/health information

全身性エリテマトーデス(SLE)をもつ方々が、どこから健康情報を得ているのか? そして、その情報をどのくらい信頼しているのか? さらに、その“信頼度”に影響を与える背景とは?そんな疑問に迫ったのが、この研究です。
最初にアクセスする健康情報源としてはオンライン情報源が最多で、医療機関のWebサイトだけでなく、同じ病をもつ患者さんのブログやSNS(X、Instagramなど)も多くアクセスしていました。しかしながら、SNSを信頼する割合は医師と比べて低いことが判明しました。
特に、機能的なヘルスリテラシー(情報を理解し活用する力)が高い人ほど、SNSを信頼せず、医師への信頼が高い傾向がありました。この結果は、患者さんが診察時に持ってくる“情報の出どころ”や“その情報をどれくらい信じているか”が、個々の背景によって異なる可能性を示しています。
医療者としては、こうした多様な情報源へのアクセス実態をふまえ、どのように対話し、どのプラットフォームを通じて情報発信するかを考えるヒントになるかもしれません。
弊分野の博士研究員でもある、信州大学の市川貴規先生が筆頭の研究論文です。科学研究費補助金の助成(基盤研究(B) 課題番号19KT0021; 研究代表者:栗田; 研究分担者:矢嶋 脇田 佐田 下島 吉見)を受けた♣️TRUMP2-SLE♠️プロジェクト(the Trust Measurement for Physicians and Patients with SLE)の成果です。[※本研究は、リウマチの診療に役立つ重要な論文として、ジャーナルの編集長であるSilverman博士によって「Editor's Summary」に選ばれました。そして、ポッドキャストでも紹介されました(5:00-)。