ヘルスサービスリサーチ/health service research

Yazawa M, Omae K, Shibagaki Y, Inaba M, Tsuruya K, Kurita N
血液透析患者における透析施設までの交通手段と健康関連QOLとの関係性:J-DOPPS研究
Clinical Kidney Journal 2020; 13: 640-646.

透析施設へ自力で通院できる血液透析患者では、他者による運転よりも、自分で運転する場合や、自転車や徒歩で通院する場合の方が、将来の健康関連QOLが良好である可能性が示されました(健康が日常生活機能に及ぼすインパクトや、主観的な健康感がより良いということです。身体的コンポーネントサマリースコア、精神的コンポーネントサマリースコアのいずれもです)。聖マリアンナ医科大学の谷澤先生がリサーチ・クエスチョンを発案され、臨床研究教育推進部の大前先生が解析されました。主指導教員はご縁をいただき、研究計画および解析方針に対する助言と、論文執筆の支援でコミットさせていただきました。その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあってか、ジャーナルの総説記事にもとりあげられました [Editorial記事: Often forgotten, transport modality to dialysis may be life-saving (透析施設への移動手段は忘れられがちだが、命を救うかもしれない)]。小職の地域では遠方から通院する必要がある方が多いため、解釈はもちろん慎重でないといけないと思っております。

Kojima Y, Yokoya S, Kurita N, Idaka T, Ishikawa T, Tanaka H, Ezawa Y, Ohto H.
福島第一原子力発電所事故後の停留精巣: 因果関係か偶然か?
Fukushima Journal of Medical Science 2019; 65: 76-98.

停留精巣は男児の先天性疾患で多いものです。福島第一原子力発電所事故後の停留精巣について執筆された論文“Nationwide increase in cryptorchidism after the Fukushima nuclear accident.”に対して、研究デザイン・データ解析手法・考察の妥当性などを多角的に検討しています。ご多忙の小島教授(泌尿器科学講座)が中心となって執筆した長編レビュー論文です。主指導教員はご縁をいただき、先行論文の研究デザインやデータ解析の適切さに対する評価でコミットさせていただきました。全文読めます[free-fulltext]。

Niihata K*, Nishiwaki H*, Kurita N#, Okada H, Maruyama S, Narita I, Shibagaki Y, Nakaya I.(*Equally contributed; #corresponding author)
診療方針のばらつきと、ネフローゼ症候群診療ガイドラインからの乖離:腎臓専門医の調査研究
Clinical and Experimental Nephrology 2019; 23: 1288-1297.
[ 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 難治性腎障害に関する調査研究 研究班の業績 ]

ネフローゼ症候群GLワーキンググループで行った調査研究で、主指導教員は柴垣教授(聖マリアンナ医科大学)によるご縁で参画させていただきました。微小変化型ネフローゼ症候群や、膜性腎症などのネフローゼ症候群に関する診療のばらつきの実態を調べました。また、診療のばらつきを決定する、腎臓専門医の特性、施設の特性などを調べました。本研究では、専門医が担当する症例数が多い場合、ステロイドの投与期間が長いことがわかりました。また、経験年数が長い場合、あるいは大学附属病院の場合、高齢者へのステロイドの減量投与が行われやすいことがわかりました。専門医の回答割合が低かったため、今後はより代表性のあるサンプリングで検証することが望まれます。中屋来哉先生(岩手県立中央病院)を中心に、博士研究員の新畑覚也先生・西脇宏樹先生(昭和大学、イノベーションセンターOB)で調査票を作成されました。主指導教員は、新畑先生・西脇先生の解析・論文化支援でコミットしました。研究成果は、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 難治性腎障害に関する調査研究 研究班の業績として報告されました。[free-fulltext (全文読めます)]

Yokoyama K*, Kurita N*, Fukuma S, Akizawa T, Fukagawa M, Onishi Y, Kurokawa K, Fukuhara S. (*co-first authors)
二次性副甲状腺機能亢進症を伴う血液透析患者における、ミネラル代謝の測定頻度:ガイドライン達成および治療の調節との関係性
Nephrology Dialysis Transplantation 2017; 32: 534–541.
[ 海外学会の公表記事 ]

血液透析患者の血清カルシウム(Ca),リン(P),副甲状腺ホルモン(PTH)を測定する頻度の目安は、国内外の診療ガイドラインに記されています。しかし、測定頻度の根拠がありませんでした。二次性副甲状腺機能亢進症の血液透析患者3276名が対象の本コホート研究では、日本透析医学会のガイドラインの目標域を超えている場合、血清Caの毎週測定が毎月測定よりも目標域に達しやすく、PTHの毎月測定が3ヵ月毎の測定よりもガイドラインの目標域に達しやすかったことが明らかとなりました。ガイドラインの目標域内にある場合、より頻回な測定によって血清Ca, P, PTHの目標域が維持される可能性は、明らかになりませんでした。教員がリサーチ・クエスチョンの立案・解析・論文化にコミットしました。